
片づけた先に、どんな部屋があるとうれしいですか
前回の記事では、
「片づけても部屋が落ち着かない理由」について書きました。
物が少ないかどうかだけではなく、
視覚ノイズ、動線、生活感の出方、色や素材のまとまりなども、部屋の心地よさに関係しているという話です。
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片づけても部屋が落ち着かない。その理由とは!?視覚ノイズ・動線・生活感から考える
片づけたのに、なぜか落ち着かない 部屋はそこそこ片づいている。 床に物が散らばって ...
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今回は、その続きです。
片づけた先に、どんな部屋があるとうれしいのか。
ここを少し考えてみたいと思います。
片づけは、毎日の暮らしのストレスを減らすという意味ではとても大切です。
でも、ただ単にストレスが減っているだけではなく、
- その先に、どんな景色があるとうれしいか
- どんな部屋だと、ほっとできるか
- どんな部屋だと自分らしいのか
- どんな空間なら、今の自分が気持ちよく過ごせるか
- どんな空間なら、やりたいことがすぐにできるのか
私は、そこまで考えて初めて、
暮らしを整えることにつながっていくのではないかと思っています。
片づいた部屋そのものがゴールではない。
片づいていることは暮らしやすく、自分を助けてくれます。
でも、片づいていても落ち着かない部屋もあります。
反対に、物があっても、その人らしくて、なんだかほっとする部屋もあります。
大切なのは、
今の自分に合っているかどうかだと思うのです。
好きな物があることと、気持ちよく過ごせることは違う
好きな物を置いているはずなのに、なぜかごちゃついている。
大切な物なのに、部屋の中で埋もれている。
気に入って買った物なのに、なんとなく雑然として見える。
飾っているはずなのに、見るたびに少し疲れる。
こういうこと、ありませんか。
好きな物があることと、
そこで気持ちよく過ごせることは、同じではありません。
たとえば、
- 飾りたい物が多い。
- 思い出の物があちこちにある。
- 好きな色や柄がいろいろある。
- 背景に物が多くて、好きな物が目立たない。
こういった状態になると、せっかくの「好き」が空間の中で少し雑然としてしまい、見ていると疲れてしまうことがあります。
そういった時には、好きな物がちゃんと好きな物として見える場所を作ることがおすすめです。
そのために、少し余白を作る、
背景を整える、飾る場所を決める、
季節で入れ替える…。
このような少しの工夫で、見え方は変わります。
たくさん出しておくより、少しだけ出す方が楽しめることもあります。
しまっているから大切にしていない、ということではありません。
今見たい物を選んで、飾る。
心地いい部屋は、何もない部屋ではない人もたくさんいます。
自分の好きな物が、
自分にとって気持ちよく見えている部屋。
そこに、その人らしさが出るのだと思います。
昔好きだった物が、今の自分に合わなくなることがある
昔は好きだった家具や雑貨が、今は少ししっくりこない。
- 前は気に入っていた色なのに、今見るとなんとなく落ち着かない
- 買った時は好きだったのに、今の暮らしでは使いにくい
- 以前は似合っていた服が、今は少し違う気がする
物でも、服でも、部屋でも、そういうことはありえます。
これは、昔の選択が間違っていたということではないんです。
- 年齢を重ねる
- 立場、役割が変わる
- 家族構成が変わる
- 仕事、環境が変わる
- 家での過ごし方が変わる
- 体力や好みが変わる
- 大切にしたいことが変わる
自覚がなくても、毎日私たちは変化していて
自分が変われば、心地よく感じる空間も変わります
だから、なんとなく部屋に違和感が出てきた時は、
「今の私は、何を心地いいと感じるようになったんだろう」
と見てみるといいのかもしれません。
- まだ使えるから
- 高かったから
- 前は好きだったから
- 人に選んでもらったから
- なんとなくそのまま置いているから
そういう理由で残っている物はありませんか。
そういった物をすぐに手放す必要はありませんが、今の自分がどう感じているかを、一度じっくり自分に問いかけてみる。
その感覚が、空間を見直す入口になります。
暮らしは、一度整えたら終わりではありません。
新陳代謝するように、今の自分に合わせて少しずつ更新していくものです。
美しさは、誰かに見せるためではない
「使えればいい」
「生活できているからいい」
「片づいていれば十分」
そう思って、美しさや心地よさを後回しにしていることはありませんか。
暮らしには実用性が必要です。
- 物が取り出しやすい
- 家事がしやすい
- 家族が使いやすい
- 戻しやすい
- 物、そのものが使いやすい
- 空間、物の手入れがしやすい
これらは本当に大切ですが、毎日目に入る空間が、自分にとって気持ちいいかどうかも、大切にしていいと思っています。
「美しさ」というと、少し大げさに感じたり、
おしゃれ、人に見せられる、
雑誌やSNSに出てくるような部屋を思い浮かべる方もいるかもしれません。
でも、ここで伝えたい「美しさ」は、もっと日常の中にあるものです。
- 朝、カーテンを開けた時に気持ちがいい
- 帰ってきた時に、ほっとする
- テーブルに座った時、目に入る景色が落ち着く
- 好きな器を使うと、気分が少し上がる
- リビングに座った時、リラックスできる
こんな、美しさを感じるような感覚です。
誰かに見せるためだけに、部屋を整えるのではありません。
物を減らすためではなく、
自分が毎日気持ちよく過ごせる景色を作るために片づける。
それは、暮らしを楽しむための片づけでもあります。
「自分らしい部屋」は、正解をなぞることではない
インテリアを考える時、どうしても正解を探したくなります。
どんな色、素材、配色か
どんな家具を選べばおしゃれに見えるか。
今の流行は?
この部屋には何を飾るべきか…
配色バランス、素材のコーディネート
家具の選び方、配置、余白の取り方、
バランスのいい飾り方…
これらに関係する知識があると、整えやすくなることはたくさんあります。
でも、自分らしい部屋は、正解をなぞるだけでは作れません。
- その家で誰がどう過ごすのか
- 朝、どこで何をするのか
- 帰宅後、最初に何を置くのか
- どこでリラックスするのか
- 何が目に入ると気分が上がるのか
- 何が見えると疲れるのか
こうした暮らしの中身を見ないまま、見た目だけ整えても、しっくりこないことがあります。
自分らしい部屋は、一部の人、特別なセンスのある人のものではありません。
今の自分の暮らしを見て、
必要な物を残し、
好きな物が生きる場所を作り、
動きやすい流れを作り、
疲れにくい見え方に整える。
その積み重ねで、少しずつ近づいていくものだと思うのです。
今の自分に合う空間を考えるためのポイント
片づけの先にある空間を考える時は、
いきなり家具を買ったり、収納用品を増やしたりする前に
ここまで書いた内容を参考にしながら、以下のポイントを考えてみてください!
この部屋で、どんな気持ちになりたいか
例えば…
- リビングでくつろぎたい
- 朝の支度をラクにしたい
- 家族と落ち着いて過ごしたい
- 一人の時間を楽しみたい
- 好きな物を眺めたい
- 仕事や勉強に集中したい
人によって、部屋によってそこで感じたい気持ちは違います。
まずは、その部屋で何をしたいのか、どんな気持ちで過ごしたいのかを考えてみます。
何が見えると落ち着くか
- 好きな色
- 木の質感
- お気に入りの器
- 本
- 絵やアート作品
- 観葉植物
- 家族の写真
- 余白のある棚
- すっきりしたテーブル
何が見えると落ち着くかは、人によって違います。
一般的におしゃれかどうかより、自分の気持ちがどう動くかを確認するのが大切です。
何が見えると疲れるか
人によっては意識したことがないのが、この「何が視界に入ると疲れるのか」です。
前回、片づいても落ち着かない部屋のところでも触れた内容です。
- 紙類
- コード
- パッケージの文字
- 色が多すぎる収納用品
- 出しっぱなしの物
- 未完了の家事が見える場所
実は考えてみると見えると疲れる、違和感がある物があるなら、それは部屋を整えるための大きなヒントです。
- 隠す
- まとめる
- 場所を変える
- 量を減らす
- 見せ方を変える
できることは、いろいろあります。
今の暮らしに合っているか
- 昔は便利だった収納用品
- 前は好きだったインテリア雑貨
- 子どもが小さい頃に必要だった家具
- 以前の仕事の仕方に合っていた机まわり。
暮らしが変われば、ちょうどいいものも変わります。
今の自分、今の家族、今の生活リズムに合っているかどうか。
そこを見直していくと、部屋は少しずつ今の暮らしに近づいていきます。
まとめ|片づけの先にあるのは、自分に合う空間
片づけは、物を減らすため、暮らしのストレスを減らすためだけにするものではありません。
片づけの先に、自分にちょうどいい空間があります。
そして、片づいた部屋が正解なのではありません。
おしゃれな部屋が正解なのでもありません。
- 自分がラクに動ける
- 家族が自然に使える
- 好きな物が生き生きとして見える
- リラックスしたい時に休める
- 今の自分にしっくりくる
そういう空間が、その人にとっての心地いい部屋だと思うのです。
昔好きだった物や、前は使いやすかった収納に、今は少し違和感が出てくることもあります。
それは失敗ではなく、暮らしを更新するタイミングなのだと思います。
そんな時が、暮らしを更新するタイミングです。
私が大切にしているのは、片づけを目的にすることではありません。
その人が、今より少しラクに、心地よく、自分らしく暮らせる方向を一緒に探すことです。
暮らしは、一度作ったら終わりではありません。
自分も家族も仕事も環境も
大切にしたいことも変わる。
だから、部屋も少しずつ変えていい。
今の自分に合わせて、暮らしをもう一度調整していく。
そこに、心がよろこぶちょうどいい暮らしへの入口があります。
参考文献・参考資料
WHOQOL - Measuring Quality of Life|World Health Organization
https://www.who.int/tools/whoqol満足度・生活の質に関する調査|内閣府
https://www5.cao.go.jp/keizai2/wellbeing/manzoku/index.html住まいにおける幸福や心身の健康に関する調査報告書|LIXIL住宅研究所
https://www.lixil-jk.co.jp/press-release/4660/Home clutter and mental well-being: Exploring moderators and the mediating role of home beauty|ScienceDirect
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0272494425001550Home and the extended-self: Exploring associations between clutter and wellbeing|ScienceDirect
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0272494421000062The relationship between habit and identity in health behaviors|Wiley Online Library
https://iaap-journals.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/aphw.70017The inauthentic consumer: Consequences of self-inauthenticity for possession disposal|ScienceDirect
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0148296324002455
